【医師監修】禁煙すると太るって本当？5つの原因と対処法を解説

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タバコをやめようと思っている人の中には、「禁煙すると太る？」「タバコをやめても太らない方法は？」などの疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。本記事では禁煙すると太る5つの原因や太りにくくするための対処法をご紹介します。禁煙することで得られるメリットも合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること！

禁煙すると太るって本当？

禁煙すると80%の人が太るという調査結果があります。とはいえ、「秋田厚生連　平鹿総合病院健診センター」が禁煙した男性の体重変化を調査（※）したところ、禁煙による体重増加は平均2.2kgにとどまっています。

※：調査対象は、2015～2019年度までに平鹿総合病院健診センター特定健康診査連続受診者の男性1,923名。
参考：禁煙後の体重増加と喫煙本数、食行動の関連

禁煙後の生活スタイルや個人によっても異なりますが、少なくともこの結果では2年目以降はほとんど体重が変化していないことから、禁煙の影響で太る期間は長くても1～２年程度なのがわかります。禁煙が落ち着くと体重増加が停止し、その後減少することが多いようです。

 

禁煙すると太るのはなぜ？5つの原因を解説

禁煙すると太りやすくなる原因は、主に以下の5つです。

基礎代謝が落ちるから

禁煙するとニコチンによる基礎代謝を増す働きがなくなり、基礎代謝が落ちて太りやすく痩せにくい体になる傾向があります。
基礎代謝とは、呼吸や体温維持など、生命活動のために無意識に使われるエネルギーのことを指し、生きているだけで消費します。

なお1日に消費するエネルギー量の内訳は、「基礎代謝量」が約60％、食事による「熱産生」が約10%、「身体活動量」が約30%と言われています。

つまり、生命活動の中で特に多くのエネルギーを使うのが基礎代謝であるため、基礎代謝が落ちるとエネルギー消費量が大きく減り、禁煙前と同じ食事量でも太りやすくなってしまうことが考えられます。

ニコチンに抗肥満の働きがあるから

タバコに含まれるニコチンには、脂肪組織での脂肪分解を促す抗肥満の働きがあるため、喫煙中は太りにくい状態になります。禁煙するとこのニコチンの抗肥満の働きがなくなることから、喫煙中に比べて太りやすくなってしまいます。

食欲が増加するから

ニコチンには食欲抑制の働きがあり、禁煙によりその働きがなくなることで食欲が増してしまいます。またタバコを吸っていると、舌の味蕾（みらい）細胞が悪影響を受けて味覚が鈍くなってしまいます。禁煙することで味蕾細胞が修復され味覚が正常化するため、喫煙中より食べ物を美味しいと感じるようになります。その結果、食欲が増してしまうことも、太る原因だと言えるでしょう。

胃の調子がよくなり吸収効率が上がるから

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあり、胃や十二指腸といった消化管の働きが弱まります。さらに食道や十二指腸をつなぐ括約筋（かつやくきん）が緩むことで食べ物や胃液の逆流が起こり、胃もたれしやすくなります。禁煙すると胃腸の調子が良くなり、それに伴い飲食物の吸収効率も上がるので、体重が増加する傾向があります。

口寂しさやストレスで食事量が増えるから

禁煙するとタバコを吸えない口寂しさやストレスが溜まり、それを紛らわすために食事量や間食の回数が増えるのも太る原因となります。中にはタバコの代わりに飴やガムをたくさん摂取する方もいますが、このような方はカロリーが増え、体に脂肪が蓄積されやすくなります。

 

禁煙後に太りにくくするための3つの対処法

ここでは、禁煙しても太りにくくするための対処法を3つご紹介します。

規則正しい食生活を意識する

禁煙後に体重を増えにくくするためには、1日3食、決まった時間に栄養バランスの取れた食事をゆっくりとよく噛んで摂るようにしましょう。脂肪や糖分の多い食事は避け、できるだけ品数を増やすことが大切です。

腹八分目が目安ですが、汁物や野菜なら大量に食べても太りにくいため、食欲を抑えられない場合は積極的に摂取することをおすすめします。野菜では特に大根やごぼうに多く含まれる食物繊維は便通を整える働きがあるので、太りにくい体に近づけるでしょう。

カロリーの低い間食を選ぶ

禁煙すると食欲が増加するだけでなく、口寂しさやストレスから間食も増える傾向があります。しかしカロリーの高いケーキや菓子パン、チョコレートなどを頻繁に食べると太りやすくなるため、できるだけカロリーの低い食べ物を選ぶことが大切です。

例えば梅干しやタブレット、ヨーグルト、キシリトールガムなどはカロリーが低く、禁煙中の間食として向いています。ただし摂取しすぎは禁物です。

適度な運動をする

禁煙中に適度な運動を取り入れることで代謝が上がり、太りにくくなる効果が期待できます。外で運動する時間がない場合は、自宅でできるヨガやストレッチなど簡単な運動でも構いません。負担の少ない運動を、できるだけ毎日続けることが大切です。

また運動することで気分がリフレッシュし、ストレスの低減にも役立ちます。

 

禁煙するメリット

禁煙すると一時的に2kg程度太ることが多いものの、健康面を考えれば禁煙のメリットの方が大きいと言えます。
実際、国立がん研究センターなどの研究グループが45～74歳の男女6万9,910人を対象に調査した結果、「体重増減が5kg以内であれば、喫煙を続けた人よりも禁煙した人の方が心筋梗塞や脳卒中などのリスクが低下する」ことがわかっています。

参考：糖尿病ネットワーク

タバコの煙には、発がん性があると報告されている物質が70種類以上も含まれており、がんや脳卒中、虚血性心疾患などの原因に繋がると推測されています。禁煙は、命に関わる病気を引き起こすリスクを抑えられ、健康寿命を延ばすことに繋がるでしょう。

 

禁煙を成功させたい方は禁煙外来の検討を

タバコをやめたくても自力でやめられない方・自分の意思で禁煙を成功させる自信がない方は、禁煙外来を検討してみてはいかがでしょうか。

禁煙外来では薬物療法を利用し、つらい禁断症状を減らしながら禁煙成功を目指せます。医師や看護師が禁煙に向けたアドバイスをしてくれるためモチベーションを維持しやすく、自分一人で行うよりも禁煙に成功しやすくなります。

禁煙外来で医師のサポートを受けることで、ストレスを軽くしながら無理なく禁煙できるようになるでしょう。以下では禁煙治療を受けられるクリニックを紹介します。

禁煙治療は条件にもよりますが、公的医療保険が適用されない「自由診療」です。
禁煙治療において特定の条件を満たさない限りは医療費控除の対象外になります。

CLINIC FOR（クリニックフォア）

クリニックフォアは対面治療も可能なオンライン診療中心のクリニックです。禁煙外来のある院なら、保険診療※による対面の禁煙治療（パッチ治療のみ）を受けられます。自由診療はハードルが高いと感じる方でも受けやすいでしょう。もちろん、診察から処方までオンラインで完結できる自由診療もあるため、予算やスケジュール感で自分に合った治療を選択できます。

※禁煙治療における保険適応は治療履歴がない・通院が必要など様々な条件があるため、事前に詳細を確認してください

特徴

クリニック情報

出典：クリニックフォア

公式サイトで詳細を見る

デジタルクリニック

デジタルクリニックはオンライン診療を中心とした自由診療のクリニックです。WEBから予約でき、年中いつでも利用できるため、多忙により通院が困難な方でも気軽に禁煙治療を受けられます。処方薬は郵送されるため、クリニックや薬局に一度も訪れる必要がありません。治療開始後もLINEを活用したチャットでいつでも相談できるため、初めて禁煙する方、一度諦めてしまったことがある方でも治療を始めやすいクリニックです。

特徴

クリニック情報

出典：デジタルクリニック

公式サイトで詳細を見る

 

禁煙治療の基本の流れ

※保険で認められている通院回数は、初診を含めて計5回、期間は約3か月です。
※初診では喫煙状況やニコチン摂取量の確認説明、禁煙開始日の決定などがあります。
※再診では経過観察含め、一酸化炭素濃度の測定、禁煙補助薬の説明・処方などがあります。
※1 1回目の再診は初診から2週間後になります。
※2 2回目の再診は1回目の再診から2週間後になります。
※3 3回目の再診は2回目の再診から4週間後になります。
※4 4回目の再診は3回目の再診から4週間後になります。

 

まとめ

禁煙すると2kg程度太る人が多いものの、一般的には長くても1～２年程度と言われています。体重が増えるデメリットを心配するより禁煙によって得られる健康面のメリットの方がはるかに大きいため、禁煙外来も視野に入れて禁煙成功を目指しましょう。